コーヒーを美味しく淹れるコツは、「器具にあった挽き方をすること」とよく言われています。
エスプレッソを粗挽きで淹れたり、フレンチプレスを極細挽きで淹れたりしたら、お世辞にも美味しいとは言えないコーヒーになってしまいますものね。
とはいえ、やはりこの「器具にあった挽き方」も紹介元によってさまざま。
一体なにが正しいのか、わからなくなってしまいます。
このページでは、各紹介元の推奨を比較していきます。
そして、当サイトとしての「器具にあった挽き方」をご提案します。
「器具にあった挽き方」の比較
各紹介元の推奨を比較しました。
SCAJ | UCC | HARIO | コーヒーの大辞典 | コーヒー学検定上級 | |
---|---|---|---|---|---|
ペーパードリップ | 中細挽き〜中挽き | 中細挽き | 中細挽き〜中挽き | 細挽き〜粗挽き | 中細挽き〜中挽き |
ペーパーレスドリップ | × | × | 中挽き | × | × |
ネルドリップ | 中挽き〜粗挽き | 中挽き〜粗挽き | 中挽き〜粗挽き | 中挽き〜粗挽き | 中粗挽き※1 |
コーヒーメーカー | 中細挽き〜中挽き | 中細挽き | × | 中挽き | × |
フレンチプレス | 中挽き〜粗挽き | 中細挽き〜粗挽き | 中挽き〜粗挽き | 中挽き〜粗挽き | × |
サイフォン | 中細挽き〜粗挽き | 中細挽き〜粗挽き | 中細挽き〜粗挽き | 細挽き〜中挽き | 中細挽き〜中挽き |
ウォータードリップ | 細挽き | 中細挽き | 細挽き〜中細挽き | 細挽き | 細挽き |
マキネッタ | × | 極細挽き | × | 細挽き | × |
エスプレッソ | 極細挽き | 極細挽き | × | 極細挽き | 細挽き※2 |
パーコレーター | 粗挽き | 粗挽き | × | 粗挽き | 粗挽き |
イブリック | 極細挽き | 極細挽き | 極細挽き | 極細挽き | 細挽き※2 |
※1 「コーヒー学検定上級」では、中挽きと粗挽きの中間を「中粗挽き」と定義しています。
※2 「コーヒー学検定上級」では、細挽きという表現の中にさらに三段階の細かさがあります。こちらの「細挽き」は極細挽き相当の細かさです。
当サイト提案の「器具にあった挽き方」
当サイトの提案の「器具にあった挽き方」です。
極細挽き | 細挽き | 中細挽き | 中挽き | 粗挽き | |
---|---|---|---|---|---|
ペーパードリップ | ◯ | ◯ | |||
ペーパーレスドリップ | ◯ | ||||
ネルドリップ | ◯ | ◯ | |||
コーヒーメーカー | ◯ | ◯ | |||
フレンチプレス | ◯ | ◯ | |||
サイフォン | ◯ | ◯ | ◯ | ||
ウォータードリップ | ◯ | ||||
マキネッタ | ◯ | ||||
エスプレッソ | ◯ | ||||
パーコレーター | ◯ | ||||
イブリック | ◯ |
主な変更点について
ペーパードリップ
基本的にはどこも「中細挽き〜中挽き」を推奨しています。
「コーヒーの大辞典」のみ範囲が広く、「細挽き〜粗挽き」と。
ペーパードリップは日本では最も一般的な抽出方法なので、様々な淹れ方がされているので、書籍によっては広く捉えられているのでしょうね。
ただ、ペーパードリップはあまり挽き方が細かくなると、目詰まりを起こしてコーヒーがうまく抽出できなくなってしまいます。
また、粗挽きはペーパーでも十分に抽出可能で、深煎りのコーヒーの苦味を減らすために敢えて粗挽きを用いるお店もあります。
しかし、普通の豆ではあっさりしすぎた味になる傾向があり、一般的とまでは言えません。
当サイトでは、ペーパードリップには「中細挽き〜中挽き」をおすすめします。
ペーパーレスドリップ
こちらはHARIO社だけにある抽出方法です。
HARIO社は金属フィルターや樹脂製フィルターのドリッパーを販売しているため、こちらに推奨する挽き方も紹介しているのだと思います。
HARIO社に限らず、最近はステンレスフィルターのドリッパーも多く販売されているため、ペーパーとは別個に取り上げました。
このペーパーレスドリップ、特に金属フィルターのタイプですが、ペーパーフィルターと違ってフィルターが水を通しません。
そのため、目詰まりするとすぐお湯が滞留してしまい、過抽出になってしまいます。
ですので、ペーパードリップと違い、HARIO社と同様に中挽きをおすすめします。
目詰まりに弱いため、茶こし等で微粉除去しておくと良いでしょう。
ペーパーレスというお手軽さの反面、挽き方の推奨範囲が狭かったり、微粉に弱かったり、ペーパーレスは意外と難しい抽出方法だと感じます。
コーヒーメーカー
こちらは紹介元によってばらばら。
それもそのはず、コーヒーメーカーと一口に言っても、ペーパーフィルターだったり金属フィルターだったり様々だからです。
当サイトでは範囲の広さを考え、敢えて限定せず、推奨範囲は中細挽き〜中挽きとします。
フレンチプレス
浸漬法の代表であるフレンチプレス。
コーヒーの粉をダイレクトにお湯に浸して抽出するため、良くも悪くも豆の個性が出やすいです。
特に挽き方を細かくすると、渋みなどのネガティブな雑味が出やすいです。
そのため、ほとんどの紹介元では「中挽き〜粗挽き」を推奨。
唯一UCC社のみ、「中細挽き〜粗挽き」を推奨しています。
当サイトでは雑味の出やすさを考え、「中挽き〜粗挽き」をおすすめします。
マキネッタ
ビアレッティ 社のモカ・エキスプレスに代表される、マキネッタ。
直火式エスプレッソマシンとも呼ばれますが、正確にはエスプレッソより抽出圧が低いため、モカ・コーヒーという別の種類のコーヒーです。
意外と挽き方を紹介している紹介元は少なく、UCC社は「極細挽き」、「コーヒーの大辞典」は「細挽き」を推奨しています。
ただし、ビアレッティ社の製品に関しては 公式サイトにて「細挽き」の推奨が明記されています。
直火式エスプレッソマシンは「極細挽き」だとフィルターが目詰まりしてしまうため使用しないように、とも記載があります。
目詰まりが発生したり、「極細挽き」のコーヒーの層をお湯が通過しきれなかった場合、直火式エスプレッソマシンは圧力が上昇しすぎることもあります。
安全弁から高温の蒸気が排出されたりと非常に危険です。
当サイトでは「細挽き」をおすすめします。